タイニーハウス小菅デザインコンテスト2021 結果発表

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応募者各位様

この度は、タイニーハウス小菅デザインコンテスト2021に応募、大変有難うございました。

第5回を迎えた今年度は、エントリー数326組、応募作品数は163組を数えるコンテストとなりました。応募いただいた方々には厚く御礼申し上げます。今年度は有料コンテストのも関わらず多数の方から応募を頂いたことに主催者として感謝申し上げます。

今年は「私のタイニーハウス」という課題でコンテストが開催されました。タイニーハウスと言う小さな空間の中にどの様な提案を入れるかが問われたコンテストで、今年も多様な住まい方が提案されました。コロナの時代でもあり、コミュニティーを意識したりリモートワークを意識したり今までにない提案も見受けられ、年々作品の質が上がっていると感じております。小さな空間にもかかわらず考え方をちょっと変えることによりこんなに変わるのかと思うほどタイニーハウスには可能性があるのかと感じさせられたコンテストでした。5名の審査員の厳正な審査の結果、以下の作品が選ばれました。

受賞者の皆様にはお祝いを申し上げます。また、惜しくも受賞に至らなかった方々にも御礼申し上げます。小菅村は今後も皆様と共にタイニーハウスを盛り上げていきたいと考えておりますのでこれからも御支援ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

事務局より

 

審査総評:小菅村長 舩木直美

「タイニーハウス小菅デザインコンテスト2021」に応募していただいた全ての応募者の皆様、今年も沢山の応募大変ありがとうございました。今年は有料にも拘わらず326組の方から応募を頂きました。昨年よりは減少したものの、タイニーハウスに対する関心の高さを感じた次第です。年々マスコミからの注目度も高くなり、取材の回数も年々増えております。ひとえに皆様からの熱い協力の賜物と感謝しております。

応募者の皆様からの提案内容も年々向上しており大変面白いデザインコンテストに成長してきたと感じております。一昨年あたりからは若い世代からの提案が増えており、今年度は65%を超えるまでになっております。若い時から住まいについて考えることは良い事ではないかと思います。いずれは自分の家を持つ時が来ると思いますが、その時にこの経験が生きるのではないかと思います。

今年はコロナやテレワークをテーマにした提案が多く見られるとともに、小菅村に対する提案も多数見られました。そんな中、家そのものに対する大胆な提案をした案が最優秀賞に選ばれました。実現性も高く、今年はこの案を何とか建設したいと考えています。村の資源である木材を活用した新しい住まいを小さな村、「小菅村」から発信していきたいと思いますので、これからも当コンテストに対するご支援・ご協力の程、よろしくお願い申し上げ総評といたします。

 

最優秀賞

登録番号:21TD268

根塚陽己

『不自由で贅沢なサテライトタイニーハウス』

この作品の特徴は小さな家に全ての機能を詰め込むのではなく家の機能を4分割して「調理・食事、寝る、お茶、お風呂」とし、家の機能を分割。一つの機能しかない家とする事により、一つ一つが豊かな空間になる。そして、異なる機能の家と連携する事により“家”として成立させるアイデアである。また、足りない機能は既存の施設(お風呂は村の温浴施設、食事は村の飲食店利用等)を利用し、補填をすることも可能という案でもある。

過去にも家を分割する案はあったが既存施設を利用することで小さな空間を贅沢な空間として提供する事が出来る。一つの機能「お風呂」を共同利用することで効率的に、また贅沢な空間を手に入れる事も出来る訳である。

最初は「寝る」機能だけを作り後から不足している部分を付け加えるもよし、そのまま既存施設を利用するもよし、村全体が大きな家と考える事もできる。家が閉じられた空間ではなく村全体に開かれた空間となるこの提案は、村全体の活性化にもつながる優れた案である。

現代の住宅の過剰さを排除し、個人の贅沢を手に入れる、そしてそこに住む人々の暮らしも豊かにしていく、そんな『私のタイニーハウス』が最優秀賞として選定された。

小菅村長賞

登録番号: 21TD112

羽田知樹

『こんにゃく暮らし』

小菅村の代表景観である掛け軸畑を存続させる為に掛け軸畑の中にタイニーハウスを建て、住職接近を果たすとともにショートステイ型の宿泊施設としても利用する事により農村と都市の交流にも役立てようとする欲張りな提案である。

高齢化が進んだ小菅村では掛け軸畑の利用がどんどん落ちて今では以前の1/10ぐらいしか使われていない。掛け軸畑とは山の南斜面に造成された畑で、寒冷地である小菅村では一番日当たりのいい場所にあり山間の集落では年間を通して食料を確保できる最も大切な場所である。人びとは日当たりの悪い平地に住み日当たりのいい場所を畑とした小菅村を象徴するような場所なのです。

住環境として考えると南向きで村の中でも最高の場所であり、そこで農業と共存できる生活は小菅村民にとって願ってもない提案であろう。農地法という法律の中ですぐ実現は出来ないかもしれないが検討の価値は大きくあると思われる。傾斜地のメリットを生かしたスキップフロアや、地中熱利用など建築的な部分も検討されている。掛け軸畑とタイニーハウスの新しい利用法として評価された。

YADOKARI賞

登録番号: 21TD155

旭智哉 山地雄統

『夢みる人の家』

“眠り”とタイニーハウスや自然との親和性に着目、家中マットレスにしてしまうというユニークな提案である。都会では窓を開け放してやベランダで寝ることは叶わないが小菅村のような田舎ではごく自然なことである。小菅村の家で玄関に鍵をかける人は精々2割ぐらいではないだろうか。不審者がいればすぐに分かるので皆さん安心して生活している。

そんな生活に憧れを持ったかどうかは定かではないが、何もないという贅沢、何もしないという贅沢を形にした作品である。椅子とベッドという洋式の生活になって感じる不自由さと床に寝ることの快適さを、作者は身を持って感じているのではないだろうか。情報過多社会の中で生きる息苦しさから逃れたい、寝る事によりこの束縛から解放されたいと思いと自由を求めて家をつくる。今の標準的な家に対する反旗ではないだろうか。家はもっと自由な空間であっていいと思う。その点を眠りに焦点を当てたアイデアで表現したところが評価された。

(株)長谷工コーポレーション賞

登録番号: 21TD5

野村昌史

『植物愛好家の家』

植物愛好家が環境や地形を取り込み、植物と一緒に暮らす家の提案である。作者もきっと植物が大好きな人ではないだろうか。家の中に観葉植物を置いたりベランダに花壇を作ったり自然や植物から受ける癒しを求めて住みたいと考えている人は沢山いると思う。この考えを大自然の中に穴を掘り、石を積み、屋根をかけて家にしてしまうアイデアは大胆で面白い。古代の竪穴住居のような空間はどの様な空間体験を与えてくれるのだろうか。世界中には土や石と暮らしている人が大勢いるが日本人には馴染みのない世界になってしまった。意外と快適な空間なのかもしれない。この様なアイデアは都市住宅を念頭にしている人には思い付かないであろう。

家とはこうでなくてはならないと言う決まりは無いし、もっと自由なものであろう。規格に閉じ込められた人には不自由であっても植物愛好家にとっては最高の家であろう。規格を外して物事を考える、そんな点が評価された。

小菅つくる座賞

登録番号: 21TD376

田村慶也 岩崎正人

『旅するタイニーハウス』

まさに空を飛んで旅するタイニーハウスである。家を大地から解放して旅させる。昔から人は空を飛びたいと思い、気球を発明し、飛行機を発明し、ロケットを発明してきた。思いが夢を実現させる。車は既に空を飛び始めている。家もやがて空を飛ぶ時が来るのだろう。人類は定住し始めた時から家を持ち始めた。自然から身を守り、外敵から身を守りそして快適な環境を求めて家は進化してきた。

移動手段を手に入れた現代では車に住宅設備を積み込んだキャンピングカーが現れ家自体を動かしてしまおうと言う所まで実現してきた。その次は空を飛ぶ、旅するタイニーハウスの提案は時代の必然であろう。

空気抵抗を考え形は球体、内部を螺旋状の床として小さいながらも楽しげな空間を構成している。村のステーションには補給だけでなく機能を補完する共用リビングユニットやキッチンユニットもある。用途の違うユニットをシェアすることで小さな空間の機能性をより高めている。

夢を形にした点が評価された。

奨励賞

21TD 92・93

兵頭依蕗・睦海

『ぼくの小屋』『コカブちゃん』

タイニーハウスコンテストもいよいよ幼児や小学生からの提案が届く様になったことはまさに驚きと言っていいだろう。昨年の小学生グループの提案に続き2年連続の小学生からの提案である。兄弟がそれぞれ提案をしてくれたが、それぞれ面白い点が多く同時受賞となった。

「僕の小屋」は海をイメージして家を提案してくれた。楽しげな家である。煙突、風力計、ワカメ、貝殻、しっくい、風車のタイルなどを装備した外観と薪ストーブ、天窓、竿たて、押窓など色々な自分に必要な装備が施してある。

「コカブちゃん」おしゃれなカブトムシをコンセプトに3階建てのお家で、1階には薪ストーブがあり、2階にはクワガタが住んでいる。3階には魚がいて外観にはカブトムシの手足がついたストライプ模様の楽しいお家、楽しさが伝わる。

子供達にとって家は興味の対象であり、見栄とか大きさとか考えずに表現する所が素晴らしい。自分の好きな物と一緒に暮らせる家が一番なのだと思う。雑念のない素直な表現が評価された。

入選作品

惜しくも入賞には至らなかったが、受賞作以外にも大変素晴らしい提案が数多く見られた。ワーケーション、リモートワーク、コモル、丸太の家、暮らしを残すなどタイニーハウスを活用し、時代を反映させた提案であった。
それぞれ最終選考まで残った作品で、入選として取り上げる事とした。

登録番号:21TD330

松田拓也 似内康文 日比野和人

『風景を物語る家』

登録番号:21TD322

茂住勇至 田村翔太郎

『これが私のタイニーハウス』

登録番号:21TD258

井上偉月

『小菅の地に暮らしを残す』

21TD134

atelier RISE 加藤 隆司

『コスゲでコモル』

登録番号:21TD275

伊藤弥季南

『幸せをひらく家』